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同人的要素が含まれますのでご注意下さい。 当管理人嘉月が、思いつくままに書き散らしている処です。
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そろそろ蝉の声が秋の虫に変わろうかという時期ながら、未だ暑さの残る熱帯夜。
コンビニに行った帰りに虚に遭遇した一護は、危なげなく倒したものの、すぐに家に帰る気になれず浦原商店へ寄った。まだ夏休みだ、早寝をする理由もない。そう結論を付けて、表ではなく裏口から入って直接浦原の部屋へと向かう。

「こんばんはー。浦原?…っていねぇのか?」
靴を脱いで、縁側から入り込めば、部屋の電気は付いたままだが、浦原の姿が見えない。
きょろきょろと見回すも、よく縁側で丸くなって寝ている夜一さんもいないようだ。
電気は付いているのだから、そのうち戻ってくるだろう。

一護は定位置に座ろうと円卓を見れば、そこに古風な瓶が目に止まった。
ジュースや曹達水などが入っているのを見かける、昔ながらの瓶に、透明な液体が入っている。
どうやらよく冷えているらしく、瓶に水滴も付いている。
しかも、瓶の蓋は開いていて、中身は炭酸らしく水泡が浮かんでいる。

一護はしばし見つめているうち、自分がひどく喉が渇いていることを自覚してしまった。
「浦原―?これもらうぞ?」
ここにはいない浦原に、一応声をかけてみる、が勿論応えはない。

しばし躊躇ったのち…一護は、瓶に手をかける。
触ってみれば、冷えた瓶に知らず喉が鳴る。
別に、これ1本飲んだからと言って、怒られることもないだろうし、危ない飲み物を無造作に置いておくとも思えない。それに、封は開いているのだ。
一護は、内心で結論付けると、一応断ってから。
「いただきます」
と、ごくごくっと、思いっきり口にし、その殆どを一気に飲み干したのだった。
 
 
+ + +
 
 
「黒崎サン、お待たせしました…てありゃ?」
一護が来ていることに気付いていたが、仕事の手が離せなかった浦原がやっと部屋に戻ってくるとそこには、机に突っ伏す一護の姿があった。
横を見れば、空になった瓶。

「これ呑んじゃったんスね~しかも、全部飲んでる…」
一護の傍らに座りながら、瓶と一護を見て苦笑する。
すやすやと規則正しい寝息を立てながら、気持ち良さそうに寝入っている一護。
こんなに無防備な寝顔を晒してるのは珍しいなぁと思い、自然、その鮮やかなオレンジの髪に手が伸びる。

意外と柔らかいその髪を梳きながら、零す独り言。
「アタシの部屋のモノをよく確かめもせずに口にするなんて、黒崎サンくらいっスよ。…それだけ、信頼されてるってことっスかねぇ」
 
今回のは、全くの偶然の産物。
ウルルが注文した飲料が実は曹達水ではなくて、アルコール入りだった。その為、店に置くことも出来ず、浦原が呑んでいた。
呑みながら改めてみれば、その瓶は、ウルルが間違えても責められないほど、本当に曹達水の瓶とそっくりで、面白いから黒崎サンに渡してみようかな~、と思わなかった訳ではない、が…未だ実行には移していなかったのだが、思わぬところで成就されてしまった。
酔った黒崎サンは見られなかったけれど、こんな無防備でかわいい寝顔が堪能できたのだから、これで十分幸せな気分に満たされていく。
 
眼の前には、愛しい一護のアドケナイ寝顔。
この位はいいか、と浦原は一護の頬に唇を寄せたのだった。
 
 
--end--
 
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Mさまに捧ぐ。(…こんなとこみてないかもですが。)
 
限りなく曹達水っぽい瓶に入った日本酒を発見したもので、そっからのネタ。夏ネタ浦一。 
曹達水は、永遠の素敵アイテムだと思う。長野には必須のアイテムです。
そして夏になると曹達水が呑みたくなります。
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言って?黒崎サン。
――
アタシが好き?
いいっスよ。どうせキミが大事なのは、キミの家族と仲間でしょ?
違う。
どう違うの?
ねぇ、一護サン、言って?
 
…ンタが、好きだ。

聞こえない。

っ…

一護サン?
 
俺が…俺が守りたいのは家族と仲間だけど、俺が…欲しいのは、浦原さん、あんただけだ。
 
最高。

うっとりと呟くと、浦原は一護を胸に引き寄せ、抱きしめる。

ごめんね、今のは、ワザとキミに言わせたんス。

え?

顔をあげそうになる一護を、けれど浦原は抱きしめる腕に力を込めて遮る。
そして直接、言霊を注ぎ込む。
 
一護サン、愛してます。…キミが欲しいと言ってくれるなら、いつだってアタシは、キミのものだ。


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お題配布元:COUNT TEN. :英熟語でお題: sour remark(意地悪な言葉)

甘っ・・・・どんな状況なんだ全く…甘すぎました…orz
折角意地悪な言葉、なのに意地悪でも何でもない… いつかリベンジを…。
りゅう/せい/の/きずな のダブルパロです。
ご注意ください。


猫を拾った。
キレイな翠の眼をした、大きな猫を。
 
 
そいつはある寒い雨の日、俺の住んでいるぼろアパートの隅に蹲っていた。
雨宿りには狭い軒の下で、雨に濡れていた。
「おまえ、うちに来るか?」
猫は真っ直ぐに俺を見上げ、差し出した俺の手を、取った。
それが、俺とそいつとの出逢いだった。
 
動物なんて飼える経済状態じゃない癖に、どうして俺はあの時、猫を拾おうと思ったのかわからない。ただ、何故かそのままそこを通り過ぎることができなかった。
その存在に惹かれたのだのかもしれない。
それから、独り暮らしだった俺の生活は、一変した。
仕事に明け暮れて、寝るだけのために家に帰りまた朝を迎える、そんな沈澱し停滞した俺の生活は、図体がでかい癖に甘えん坊で何をしでかすか判らないこいつのせいで、毎日が動き出したのだった。
 
 
風呂に入って躰を乾かしたそいつは、見違えるようなキレイな猫だった。
落ち着いた、黄色というよりは、金色の美しい獣。
それに、よく見れば金の混じった不思議な翠の瞳。
首輪はしていなかった。
 
「おまえ、名前あんのか?」
まじまじと見つめ、惹かれるようにそっと手を伸ばして呟いた俺の言葉に、そいつは眼を瞬いてからポツリと応えた。
「うらはら、きすけ」
「…猫の癖にヘンな名前だな。俺は、黒崎一護だ。よろしくな、うらはら」
すべらかなその毛並みに驚きながら頭を撫でれば、気持ち良さそうに眼を細めたうらはらが一声鳴いた。

――にゃー。
 
そうして、一人と一匹の生活が始まったのだった。
 
 
--continued?--

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お題配布元:COUNT TEN. :英熟語でお題: stray cat(のら猫)

やっちゃった…にやんこネタ。
一護にするか浦原にするか悩んで、気づいたらうらはらになってました。
なんか、書き出したら楽しくなってきましたよ。
続きたい、な。(苦笑)

「アタシの一番は、キミじゃない。それはこの先も変わらないっスよ」
「あぁ、判ってる」
 
言葉ではまっすぐに言いながらも、眼差しにはどこか迷いが混じっている。けれどそれ以上に、自分を求める情を感じ取って、浦原はわざと大きく溜息を零す。
 
「アタシは、愛情なんかなくても抱けるし、おまけに男でも女でも関係ない、そんな節操のない人間っス。だからネ、温もりが欲しいだけなら、アタシみたいなロクデナシはよした方がいい」
「そんなんじゃない。それに、アンタがどんなつもりでも構わない…それでも、たとえ一時でも俺はアンタが欲しいんだ」
 
この子供をここで切り捨てることは容易い。けれど、暇つぶしには、これ以上ない対象かも知れない。
 
浦原は、うっそりと笑みを浮かべると、一護の耳元に唇を寄せる。
 
 
――それじゃ、一護サン。アタシがキミに飽きるまで、契約をしましょ?
 
 
 

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お題配布元:COUNT TEN. :二字熟語でお題:契約


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