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同人的要素が含まれますのでご注意下さい。 当管理人嘉月が、思いつくままに書き散らしている処です。
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WJ標的276 の激しくネタばれの、BF的補完です。
ちょっとフランが乙女っぽいです。
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「白の狂気」(ベルが負傷する話)の続きです。そして更に続きます。

「なー、カエル。いい加減、オレを見ろよ」
「先輩こそ、ちゃんとミーを見て下さいー」
「ししっ♪…な、フラン。王子にしとけって」
「…ぢゃあ、先輩も、前任ではなく、ミーを必要としてくれますかー?」
「何言ってんのお前?当り前だろ」
「ウソですねー」
「なんでだよ?お前こそ、なんで王子じゃなくて、バカ兄貴とか…ありえないだろ」


「…なんで、ミーたちは、こんなに傍にいるのに、お互いじゃダメなんでしょうねー」

「…不毛だな」
 


-- continued? --

---------------------------------------------


ベル→(マーモン)→フラン かつ ベル←(ジル)←フラン みたいな、 それぞれマーモンとジルを見つつ、でもそこは成就しないと判っててお互いでもいいかなとおもってるんだけど、それもすれ違ってて、という、両想いなようで両想いになれないそんなベルフラ、が読みたいです。←他力本願
「カエルおせーよ、何やってんだよ。さっさと行くぞ」
 
ベルとフランは、買出しに来ていた。


「今日はクリスマスパーティーよぉ~ベルちゃんとフランちゃんは、お買い物に行ってきてちょうだい!はい、これがリストね!」
今日はオフだからのんびりしようかな、などと朝食を食べながら考えていたフランは、いきなりやってきたルッスーリアにそう言われ、リストを握らされあっという間に買い物に追いやられたのだ。
そうして、いやいやながらもベルと一緒に買い物をし、あとはアジトに帰るだけだった。しかし、荷物が重い。一応ベルも持ってくれているのだが、サクサクと歩くベルを見ていると、もっと持たせてもいい気がしてきた。
「なら先輩、もっと荷物持って下さいよ―絶対ミーの方が重いですー」
「嘘つけ!明らかに俺のが重いの持ってっし…ったくしょうがねーな、このひ弱ガエル!それよこせ」
「おぁお!ありがとうございますー」
二人きりなせいか、珍しく優しいベルに、フランは素直に甘えることにする。
フランから渡った荷物を持ち直したベルは、そうして歩みを少しゆっくりにしてフランと並んだ。そのベルの首には、フランがプレゼントしたマフラーがしっかりと巻かれている。
 
 
やっとヴァリアーの城の広大な庭に踏み入れた時だった。
「あ、先輩、空…」
フランが呟き空を見上げる。
つられて上を見上げたベルは、歩みを止め口元を綻ばせた。

「雪だ…」
曇り気味で冷え込む朝だったが、その空から小さく白いものが落ちてくる。
ふわふわと舞うように落ちてくる白い粒に、ベルは手を差し出す。
ベルの黒い革の手袋の上に落ちたそれは、すぐにしゅんと溶け、水になる。けれど、ベルはまた手を差し出す。そして、後からあとから落ちてくるそれを眺めている。
フランも横で、息を白くしながらそんなベルを見ていた。
 
 
* * *
 
いつだったかの、任務の時だ。もうすぐクリスマスだなー、そう言った先輩は空を見上げた。
「今年は雪降らね―かな」
「先輩、雪好きなんですかー?」
「だって、雪だぜ!積もると寒いしめんどいけど、でも楽しくね?それに、あの真っ白いのが好き」
楽しそうに何かを思い出しながら言う先輩が珍しくて、ミーは自分はあまり好きではないんだ、という言葉をやめて、軽口に変えた。
「…血の色との対比がキレイ、とか言わないで下さいよ―」
「ししっ♪それもあるかもな。でも、ツリーにかかる雪とか良いじゃん?王子、キレイなもんは好きなんだよね」
「ふ~ん、やっぱり子供ですね―」
「んだよ、お前は嫌いなのかよ?」
あぁ、しまった。言わないつもりだったのに、そう訊かれたら、とミーは答えてしまう。
「嫌いですよ―あんな、真っ白いだけでキレイとか言われて、ただの塵を核にした氷の結晶のくせに。…それに、あの迫るような静けさが嫌なんですー」
できるだけ淡々と言ったミーに、先輩はこちらを振り向いて見つめてから、カエルをポンっと叩いた。
「何?雪に嫉妬してんの?」
「んなわけないですー!バカじゃないですかー」
「大丈夫だって、…次雪降った時は、王子と一緒だから、静かじゃねーよ」
そう言って、前を歩きだしたベル先輩に、ミーは答える言葉を探しあぐねたのだった。
 

*
 * *

 
「っと、ヤッベ、ルッスに怒られる。行くぞ、カエル」

我に返ったようにベルは言うと、重くなった荷物を持ち直して歩き出す。
「そうですねー。それに、もしかしたら積もるかもしれないですしー、また見に来ればいいじゃないですかーつきあってあげますよ」
まるで、魅入るように見つめていたベルに、フランはベルの後を追いながら、声をかける。その言葉に、ベルは独特の笑いを零すと、おもむろにふりむく。

 
「ありがとな、フラン。これ…ホワイトクリスマス。王子へのクリスマスプレゼント、だろ?」
 
「…っ!?」
 
ニヤリ、そんな笑みを口端に刻んで言ったベルに、とっさにフランは言葉を返せなかった。
王子愛されてるー、そう呟いてくるりと前を向くと歩き出したベルを、フランは見つめるしかなくて。
「カエル、早く―」
10歩ほど先を行ったベルが、振り返ってフランを呼ぶ声に、やっと足を踏み出す。
赤くなった顔を隠すようにカエルを少し下に向けてから、小走りでベルの横に並ぶ。
「良く判りましたねー、ミーの幻覚だって」
「だってオレ、王子だもん♪」
「それ意味わかりませんからー」
「でも、判った方が嬉しかっただろ?だって、プレゼントって判んねーじゃん?」
「そこが良いんですー。ちぇー、自信あったのによ―」
「夜もっかいやってよ。んで、ツリー見に行くかんな♪」
「はいはいわかりましたー。その代わり、先輩はミーにプレゼント、あるんですよね?」
「ししっ♪楽しみにしてろ!」
 


 
 
+ + + 

 
クリスマスの朝。
 
ベルは、横に寝ているフランの翡翠の髪に指を絡める。フランを起こさないように注意しながらも、楽しげな笑みを浮かべ、隠しておいたものを取り出す。
さらさらと落ちるその髪に、そして耳朶にキスを落とす。
 



 
ガッシャンッ!!
 
 
 
「っったっーー!!!」
ベルは、思いの外大きな悲鳴に苦笑しながらも、まだ何が起こったか判らず飛び起きようとしたフランを抑え込むと、もう片方の耳にも素早く固定し、一気に押した。
「っ!!!」
 
耳を押さえながら覚醒したフランが見たものは、自分の真上を陣取って満面の笑みを浮かべるベルの姿。

「Buon Natale」

嬉しそうに告げられたベルの言葉に、返ってきたのはフランの怒声。

流石に不審に思ったルッスーリア達がベルの部屋にやってきたのを何とか言い繕い、それから機嫌を損ねたフランを宥めていたのだが、若干ベルも機嫌が悪くなってきた。

「オレからのプレゼントだって言ってんじゃん!つーかさ、お前だってやったくせに、なんで王子だけそんな文句言われなきゃなんないわけ?」

その言葉に、確かに、と渋々納得したフランが改めて鏡で見たのは、若草色の石――ペリドットのピアス。

小さく輝くそれに、自然笑みが浮かんだ。

向こうでそっぽを向くベルに近付くと、後ろから抱き締める。

「…ベル先輩。ありがとうございますー」
「絶対外すなよ!」
「当然ですー」

フランの言葉に、少しく驚いて振り向いたベルにしてやったり、と内心喜びながら腕を離す。
そして、フランの瞳よりも明るいそれをひと撫ですると、フランは横にあったカエルを被り、髪でそれを隠す。
 

それから二人、朝食へと急いだのだった。
 
 
--end--


遅くなりましたが、ベル誕に若干続いた形のクリスマスネタでした。
甘いっ。
ベルは雪が好きでフランはあんま好きじゃないけど、ベルの為に幻術で雪を見せてあげた、というネタがやりたくなりまして…+ピアスネタがあったのでこういう長さに…。分けるべきだったかな。フランは、昨晩中にプレゼントがなかった段階でちょっと予想してたかもしれません…大ナシ?!

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